生産管理や事務職で、Excel・Accessでの受発注管理や事務処理を担当している人の中には、「このままこの仕事を続けても給料は上がらない」「工場のDX化が進めば自分の仕事はいずれシステムに置き換わる」と感じている人が少なくありません。

一方で、エンジニアへの転職はハードルが高そうに見えます。コードを書いた経験がない、プログラミングスクールに通う時間も自信もない、という人もいるはずです。
ただ、未経験からのキャリアチェンジは「エンジニアになる」以外にも道があります。その1つが、社内の業務をデジタル化・効率化する「DX人材」「業務改善職」です。ここでは、生産管理・事務職の経験を活かしてDX人材へ転職する方法を整理します。
生産管理・事務職の経験はDX人材転職で不利ではない
DX人材やDX推進担当の求人では、プログラミングスキルよりも「現場の業務を理解しているか」が重視されることが多いです。
生産管理や事務職の経験には、次のような要素が含まれています。
- 受発注、在庫、納期管理など、ミスが許されない業務フローを把握している
- Excel・Accessでのデータ管理、関数、マクロなど、ある程度のデータ処理経験がある
- 現場と他部署(営業、製造、物流)の間で調整した経験がある
- 紙やExcelで運用されている業務の「非効率な部分」を体感している
DX推進の現場で最初に求められるのは、こうした「業務を分解し、どこに無駄があるかを言語化する力」です。コードを書く力は、入社後に必要な範囲だけ身につければ十分なケースも多くあります。
DX人材として狙いやすい職種
未経験からDX人材を目指す場合、最初から「DXコンサル」のような上流職種を狙う必要はありません。
| 職種 | 主な仕事内容 | 生産管理・事務職経験との相性 |
|---|---|---|
| DX推進担当(事業会社) | 社内業務のデジタル化、ツール導入、定着支援 | 高い:現場業務を知っているほど評価されやすい |
| 業務改善担当 | 業務フローの整理、ムダの発見、改善提案 | 高い:現場の細かい困りごとを知っている強みが活きる |
| 社内SE | 社内システムの運用・改善、ベンダー対応 | 中:システムの基礎知識は必要だが、業務理解は資産になる |
| データ入力・管理のDX化担当 | Excel・Accessの仕組みを社内システムへ移行する支援 | 高い:現在の業務がそのまま実績になる |
| ITコンサル(事業会社経験者向け) | クライアント企業の業務改善提案 | 中:事業会社での実務経験が説得力になる |
特に「DX推進担当」「業務改善担当」は、エンジニアほどの専門スキルを求められないことが多く、現場経験のある人材を歓迎する求人が一定数あります。
社内異動という選択肢も検討する
転職だけでなく、社内でDX推進部門や情報システム部門への異動を目指す道もあります。
| 比較項目 | 転職 | 社内異動 |
|---|---|---|
| スピード | 求人があればすぐ動ける | 異動希望のタイミングに依存する |
| 実績の見せ方 | 職務経歴書・面接で説明 | 上司・人事への直接アピールが必要 |
| リスク | 環境がゼロから変わる | 慣れた環境のまま役割を変えられる |
| 給与 | 転職先の制度次第 | 現在の給与体系の範囲内が多い |
「今の会社でDX化の話が出ている」という状況がある場合は、まず社内でその担当に手を挙げられないかを確認するのも現実的な選択肢です。社内事情を知っている分、異動後すぐに成果を出しやすいという利点もあります。
一方で、社内に異動先のポジションがない、評価制度上「DX推進」という役割が用意されていない場合は、転職で外に出る方が早く動けます。
DX人材転職で評価される実務経験の整理法
職務経歴書や面接では、「DXに興味があります」というだけでは弱く、自分の業務経験を以下の軸で整理しておくと伝わりやすくなります。
- 困っていたこと: 何に時間がかかっていたか、どこでミスが起きやすかったか
- やったこと: Excelの関数・マクロ、Accessのクエリ、業務フローの見直しなど、自分で改善した経験
- 効果: 作業時間が減った、ミスが減った、確認漏れが減ったなど
- 次にやりたいこと: 今の業務をさらにどう変えたいか、AIやシステムでどこまで自動化したいか
たとえば、「受発注データの突合作業を、Excelの関数で半自動化して確認時間を減らした」という経験があれば、それは立派なDX推進の実績として説明できます。完成度の高いシステムを作った経験がなくても、「業務のどこに着目し、どう改善したか」を具体的に話せることが重要です。
未経験からDX人材を目指すために最初にやること
- 今の業務の中で、時間がかかっている・ミスが起きやすい作業を書き出す
- その作業をExcelの関数・マクロ、Googleスプレッドシート、簡易ツールでどこまで改善できるか試す
- 改善前後の作業時間やミスの変化を記録する
- 社内のDX推進・情報システム部門の仕事内容を調べる、もしくは話を聞く
- 転職する場合は、上記の実績を職務経歴書に「課題・施策・効果」の形で整理する
いきなりプログラミングを学ぶより、まず自分の業務をどこまで改善できるかを試す方が、DX人材としての実績作りには近道になることが多いです。
まとめ
生産管理・事務職の経験は、エンジニア転職では評価しにくくても、DX人材・業務改善職への転職では強みになります。
社内異動か転職か、どちらが現実的かを検討しつつ、今の業務の中で改善できることを試し、その経験を「課題・施策・効果」で説明できる形に整理することが、未経験からDX人材を目指す最初の一歩です。
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転職そのものの斡旋ではなく、今の業務の中でどこを改善できるか、その経験をどう言語化するかを一緒に整理することも可能です。